日本はかつて、株価や地価が急激に上昇することで好景気が続いた、いわゆるバブル時代とよばれた時期がありました。
このバブル時代には地価高騰が起こり、地価は必ず上がるという土地神話がマスコミによって広まり、誰もが不動産を購入するようになったのです。
しかし、バブル崩壊とともに、信じられていた土地神話も崩壊の道を辿ります。
この記事では、現在の経済下では信じられないような「土地神話」についてご紹介します。
土地神話が生まれた経緯から崩壊までを振り返ってみましょう。
土地神話とは バブル経済時代にマスコミにより広まった!
土地神話とは、不動産地価は必ず上昇し続けるという、現在ではにわかに信じられないようなまさに神話のような事態のことです。
昭和から平成に変わる1986年から1990年頃にかけて、日本では株価や地価といった資産価値が上昇し、好景気が続くバブル経済時代となりました。
1985年の「プラザ合意」後、日銀の想定を超えるものすごいスピードで円高が進み、円高不況に突入します。
この対策として行われた低金利政策により資金が余るようになり、その余った資金が株式市場だけでなく、不動産市場にも流れ、地価高騰が起きたことで、土地神話がささやかれるようになりました。
当時のマスコミが、テレビや新聞などで地価高騰や価値上昇を過剰に伝えたため、土地神話は一気に広まります。
マスコミに煽られ、バブル経済下では誰もが不動産に興味を示し、不動産ブームが起こりました。
マスコミによる土地神話が一気に広がり、実際に地価は上昇を続けていったのです。
土地神話とは ?バブル崩壊で地価が下落しはじめる
しかし、バブル経済が崩壊すると同時に、信じられていた土地神話の崩壊がはじまります。
「地価が値下がりすることはない」「土地を所有していれば損をすることはない」という土地神話の考え方により、銀行は土地を担保にして融資をすることをはじめます。
所有している土地を増やせばさらに儲かるという風潮が広まり、購入した土地を担保に銀行から融資を受け、さらに土地を購入することが繰り返され、地上げや土地ころがしなどが社会問題にもなりました。
これを受けて、不動産購入のための融資を制限し、地価高騰を抑制するために総量規制が行われ、株価や地価が急激に下落しはじめたことで、バブル時代は終わりを迎えます。
華やかなバブル経済時代の終焉とともに、信じられていた土地神話も崩壊したのです。
土地神話が信じられていた時代には、土地を購入し売却するときに得られる売却益で儲けるための投資が主流でしたが、土地神話崩壊後は、安定した家賃収入を長期的に得るための投資が主流に変わっています。
まとめ
現在の経済下では、とても信じがたい「土地神話」といわれるものが存在していました。
マスコミにより広まった、土地神話時代の異常な地価高騰が再び起こる確率は低く、現在は安定した不動産投資が一般的となっています。
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